■境界性 心的外傷について■それでは境界性 心的外傷についてくわしく見ていきましょう。境界性 心的外傷に関する基本的なことがはっきりしてくると思います。

心的外傷後に起こりうる精神障害としては、ＰＴＳＤ以外にも、 うつ状態、パニック障害、解離性障害、行動障害、身体化障害、転換性障害、適応障害、摂食障害、自傷行為、境界性人格障害、アルコール・薬物乱用を初めとする嗜癖性疾患など、多数あります。突然当時の恐怖心や不安感、身体的な感覚が呼び戻されること（フラッシュバック）、夢で同じ体験をしてしまうなどが挙げられます。PTSD（心的外傷後ストレス障害）に見られる症状の特徴PTSD（心的外傷後ストレス障害）では、その種の出来事に対して、恐怖、無力感、戦慄などの強い感情的反応を伴い、長い年月を経た後にも、このようなストレスに対応するような特徴的な症状が見られます。外傷体験から４週間以内に始まり、２日〜４週間以内におさまるものは「急性ストレス障害」として、ＰＴＳＤとは区別されています。また、精神分析的精神療法、内観療法、行動療法、認知療法、同じ体験者による集団精神療法なども有効的であるとされています。感情の麻痺（まひ）、無感情、覚醒亢進（かくせいこうしん）の症状（眠れない、ささいなことですぐにぎょっとするなど）が生じます。

PTSDと診断されるのは、兵士だけではありません。トラウマは本来、単に外傷を意味しますが、日本では心的外傷として使用される場合がほとんどです。また、パニック発作を起こしたり、神経過敏になったり、怒りっぽくなったりするなどといった症状を発症する場合があります。うつ病の症状もよくみられ、以前は楽しんでいたことに関心を示さなくなります。その記憶は通常は消えたままになりますが、何かの拍子にその記憶が呼び戻される場合があります。PTSD（心的外傷後ストレス障害）の原因PTSDは、生命が脅かされたり、人としての尊厳が損なわれるような体験が原因で起こります。

当時の帰還兵の約30％がPTSDと診断され、PTSDの診断基準には達しなかったものの、同様の症状が認められた割合を含めると、55％にのぼったといわれています。その度に、何度も当時体験した非常な精神的苦痛を再体験することになるので、情動的に不安定となり、落ち着きがなくなり、イライラしやすく、同時にビクビクしており、時には突発的な暴力行為を起こすこともあります。心的外傷後ストレス障害では、心の傷となった出来事の情景が悪夢やフラッシュバックという形で繰り返し脳裏によみがえります。ここで言うトラウマ体験（外傷的体験）とは、人の対処能力を超えた圧倒的な体験で、その人の心に強い衝撃を与え、その心の働きに永続的、不可逆的な変化を起こすような体験を意味します。１．トラウマと関係する過去の記憶・感情をリアルに再体験する『フラッシュバック』２．トラウマと関係する人物・場所・事象が誘発する『回避・恐怖・パニック発作』３．慢性的・恒常的な身体症状と緊張感を生み出す『自律神経系の覚醒亢進』PTSDという疾病概念を聴くと、反射的に『精神的ダメージ（心的外傷）・心理的な記憶の問題』がイメージされやすいのですが、PTSDの中核症状は『精神症状』よりもむしろ『自律神経系の身体症状・過剰亢進』にあります。　2）回避　苦痛な体験を思い出すような状況や場面を、意識的あるいは無意識的に避け続けるという症状、及び感情や感覚などの反応性の麻痺（まひ）という症状を指しています。

心的外傷後ストレス障害＝Ｐｏｓｔ―ｔｒａｕｍａｔｉｃ　ｓｔｒｅｓｓ　ｄｉｓｏｒｄｅｒ＝の略。＊いらだち。『闘争‐逃走反応(fight or flight reaction)』というのは、外敵の攻撃や危険な事態に際して、即座に行動して相手に攻撃を仕掛けたり、相手から逃走を図ったりするために生理的な自律神経系の興奮レベルを引き上げることを意味します。ＰＴＳＤの診断基準はＡからＦまで６項目ありますが、診断にはそのすべてを満たすことが必要です。その一方で、重度の障害が持続する人もいます。震災、交通事故、レイプや児童虐待といった、自らの処理能力を超えるような強烈な体験をした場合、心は、その体験から自らを守るために、それを瞬間的に冷凍してしまう機能を持っています。

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